憶えがき

自転車、手芸、お散歩、へたくそな写真。

Trek-Segafredo 2017期の選手27人分のカートゥーンキャラをイラレで作る、それらについての裏話

お絵描きはシュミ、仕事はDTPオペレーター。※クリエイティブではない

本当はもっと誇らしい良いお話として発表できれば良かったんだけど、一年経ったのでもう時効かなー(笑)。ということで、数人にしかしてなかったお話をこっそり記す。関係してる方々が一応現役でお仕事なさってる人ばっかりなので、お名前は伏せておく。

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2016年のジャパンカップで、仕事で得たスキルをシュミに注ぎ込んでAdobe Illustratorで作ったステッカーを選手にあげたら、カンチェラーラ引退花束贈呈セレモニーのため来日した某アメリカ自転車メーカー副社長氏の目に止まり、来季の選手全員分作らないか?と言われた。こちとらただのファンアートだったんだけど、彼にはフリーランスのプロイラストレーターが売り込んできたようにも見えたらしい(イラレの処理だけはプロだが)。「It's fine, VERY fine!」とか言われて浮かれてホゲ〜っとなりながらもホイホイ引き受けた。おおサンキューサンキューと笑顔でわたしのステッカーを受け取っときながら、全員分描く気は無いかと聞いてきた時の彼の目が、獲物を狙う鷹の目にサッと変わったのが印象的だった。イラストに対する対価を教えてくれ、と。おカネでも良いし、お気に入りの選手のサイン入りジャージとか、チームカーに乗ってコースを一周するとか、アフターパーティに招待するとか、そんな報酬なら簡単に用意出来るし希望があるなら言って欲しいと。嘘のような本当の話である。正直大変ビビった。うっかり安く引き受けちゃうと、そういう前例になってしまって今後に良くないことに成り得ちゃうんじゃないか?などと考えてしまい、お知り合いのフリーランスのプロイラストレーターさんに適正価格的な相談をしていたんだけれど、報酬とか収入とかの形で受け取っちゃうと税金がめんどくさいななどと小市民的な考えに至り、せっかく自転車メーカーさんとお仕事するのだからここはひとつ、27人分の適正価格に沿ったフラッグシップモデル一台カラーオーダーとかどうよ?と間に入っていただいた方に(流石に英語での取引はわたしには不可能だ)返信。おカネは使っちゃうから、トロフィー的なものを貰って残してもいいんじゃないかと。セミオーダーラインから外れたカラーリングでどうしても欲しいものがあって、特殊なワガママがうっかり通ったらラッキー☆程度の軽い気持ちで。
まあ案の定本国からは音信不通になりました(笑)絵を商売にしてるわけではないので、死ぬ気で仕事につなげたい!とも思ってなかったけれど、ゆえに安売りする気もない。まあそんなもんだろうと、特に残念がって凹んでないんですが(本当に)。おそらくよくある話であろう。ただ、副社長氏があの時言ってくれた「It's fine, VERY fine!」は本当にそう思ったからであろうし、嘘でもお世辞でもなかったと思う。わたしは選手が喜んでウケてくれればそれで良いのだ。ただ、相談に乗っていただいた方々に良い報告が出来なかったのが残念である。それだけは本当に悔やまれる。

結果的に公式キャラにはならなかったけど公表するなとも言われなかったので、レースで勝ったり、誕生日だったり、グランツールのメンツが発表になったらツイッターにあげたりしていた。折角27人分描いたのに、お蔵入りはやっぱ悔しいし。有難い事に、それなりに良い反応はいただけたと思う。このテの事に興味ある、もしく好意的な選手と、全く興味が無い選手とが両方いて面白かったね。今年は前半に時間があったから全員分やったけど、来年はどうするか不明。イチオシの選手、キャメロン・マイヤーもワールドチームに復帰したことだしこっちに力入れたい(残念ながら彼はあまりこのテの事に興味が無いようだが)。

思いがけず長くなってしまったので、Illustratorによるキャラのメイキングは次回。